きみ:写真館
  photo きみ俳句(令和五・六年)
 
        PHOTO 俳句   No 3    ( 令和5〜6年度)
 
    シニアの暮らし・日日の移ろい・・・見 触れて 生まるる五感膨くるる 写生句です。
  十七文字から 編み出した写生表現 共感出来れば幸いです。
   年の功の垣間見る””表現できれば””これまた嬉しい限りです。
どうぞよろしく
 
                             きみ写真館表紙 

 
俳句の結社(雉)・・各種色々ですが、この会の特徴は、写生句”” 感情は禁、飽くまでも観たままで・・・
拠点は広島 所属は初心者コース 主宰は田島和生 滋賀県大津市在住
 

 
・・・photo きみ俳句・・・令和五・六年度
 秀句・佳句は朱色

 
                         十月句
 
がちゃがちゃの突如鳴き声日は西へ
秋寂ぶや築山に風吹き抜けて
                              蜩や庭木の影の長く伸び
                             コスモスの色を重ねて風に揺れ
                             赤蕎麦の咲き満ち農家囲ひけり
 

 

月句

 
勉強部屋の窓に伸びたる凌霄花
髪上げて施餓鬼参りの少女かな
蒲の穂へ風の出たる夕べかな
噴水を潜り破顔の幼女かな
 

 
八月句
 
夏祭り少女の軽き下駄の音
音爆心の水面に映り日焼け顔
音打ち水や朝のあいさつ登校子
 

 
  七月句
 
長雨過ぎ青空あふぐ立葵
朝の日に雨粒きらら七変化 
夕立過ぎ色の戻れる瀬戸の海
蓮の葉へ雨脚しるき院の庭
 
アサザ咲き庭池に黄金輝けり

 
雉掲載句 六月句
 
風薫るリハビリの道伸ばしたる
夕さりて煙るがごとき花楝
草笛を鳴らしてみたる老いし母
稜線や霞の中なる涅槃像

 
  雉掲載句 五月句
 
雨煙り白の浮き立つ利休梅
 
 葉桜や水田一面さざ波す
出来立ての子の手にぬくし柏餅
尺八持ち集ふ女性や花の下
 

 
  雉掲載句 四月句
 
げんげ田に時折風の吹き渡り
 桜咲く明るさに押す車椅子
春の泥跳ね上ぐる子の明るさよ
 

 
  雉掲載句 三月句
 
日の暮れて匂い増したる黄水仙
 摘み草や土手にほんのり昼の月
竹筒に椿一輪友を待つ
遠山のむらさき兆す春霞
 

 
  雉掲載句 二月句
 
山茶花の小径リハビリ杖ついて
退院へ空の明るき小正月
春浅しマンホールより人の声

 
 雉掲載句 一月句
2024/01/01 元旦の朝 (西窓から)
 
咳をして背骨にひびく年の暮れ
肩に置く医者の手温し冬の朝
大晦ナースの走る闇廊下
遊覧船音なくすぐる冬の堀 
寒菊の倒れても尚匂いけり
 
 

 
・・・photo きみ俳句・・・ 令和五年度
 
 雉掲載句 十二月句
 
蘇鉄抱き菰巻く揃ひ法被かな
 
地に擦りて袖より長し千歳飴
日溜りの刈田に弾む群雀
満天の星の中なる捨て案山子
 

 
 雉掲載句 十一月句
 
栴檀の万の実の揺れ学徒の碑
総出して蕎麦の刈り取り日本晴れ
学校田籠に集むる落穂かな
干蒲団入れて部屋中日の匂ひ
銀杏黄葉少女の影の長く伸び
 

 
 雉掲載句 十月句
 
稲架襖帰る夫婦の影長し
稲掛くる夫のそびらの夕日かな
熊笹に絡み咲きたり蔓竜胆
新蕎麦をすする右利き左利き
草叢にまじりて揺るる吾亦紅
 

 
 雉掲載句 九月句
 
 
赤蜻蛉午後の日差しに群れて飛び
外科医院出てコスモスの道帰る
花芒蔦に覆はれ水車小屋
ぶな林の我の足元秋の蝶

 
 雉掲載句 八月句
 
 
せせらぎと爺の鼾や夏の月
草いきれ案内板のいたく錆び
朝顔の天辺の花揺れゐたる
灯篭流し川面溢るる平和の字   灯篭の溢るる川面平和の字

 
 雉掲載句 七月句
 
 
目を細め草笛鳴らす少女かな
畔の道キツネノボタンで埋まりをり
さざ波の湖に在る月夏至の入り
 

雉掲載句 六月句
 
紫陽花や老女の話尽きもせず
窓を開け朝の光に夏燕
草笛や土手を駆けゆく餓鬼大将
尺八の五音 つ若葉風
 
                 シャッタ押す緑の中の花卯木            2023/06/ 27  

 
雉掲載句 五月句
サンカヨウ花弁透ける初夏の雨
大ぶりの温みの残る柏餅
緑射す木道下を亀歩く
庭に摘む石竹数本供花に足し
       
 
              むらさきの煙る大空花楝           2023/05/ 18  
 
               若葉今怒涛となれり臥龍山          2023/05/ 05   
               

雉掲載句 四月句
 尺八を奏で弥生の月仰ぐ
雪柳人通るたび揺れにけり
 
              伊根泊り霞む海より日の出かな           2023/03/21   
 
               雨上がり一気に桜咲き揃ひ            2023/03/27   
 

雉掲載句 三月句 
        一列に畑土割りてチューリップ    
田芹摘む押さえて籠の軽ろさかな
落ち椿垣根に沿うてけんけんぱ
裸婦像を囲み薔薇の芽一斉に
 
                黄水仙水辺に朝日きらめいて             2023/03/15   

 
雉掲載句 二月句
つがひ来て啄む目白冬林檎
窓明かり土鍋に香る小豆粥
一筋のけもの足跡雪野原
鵯の小鳥を払ひ喰う蜜柑ヒヨドリ
 
鵯の小鳥を払ひ喰ふ蜜柑   2023/02/15 写
 

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令和 五年 雉掲載句 一月句
草履履く托鉢僧へ風花す
雪合戦コロナの鬱を払ふごと
雪晴れや妻と並びて体操す
肩の雪払ひ乗り込む市電かな
 
つがひ来て啄む目白冬林檎   2023/01/22 写
 
 
               菰の中緋色深めて寒牡丹           縮景園・園内   2023/ 1/16
 
 
 
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